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吉田の涙は他のアスリートを変えるか

リオオリンピックで五輪3連覇していた吉田沙保里が決勝で敗れた。

試合直後、吉田はマスコミに呼び止められて、こう発した。

「本当に取り返しのつかないことをしてしまって、申し訳ないです」

顔をしわくちゃにしながら号泣し、一つ一つの言葉を絞り出すように謝罪の言葉を述べるわけである。

 

これまで個人戦206連勝、世界大会16連覇を成し遂げた一流のアスリートが、我々国民に向かって負けてごめんなさい、ごめんなさいと謝るばかりなのである。

 

この光景は誰しも印象に残ったに違いない。

なぜ、謝るのか?

なぜ、取り返しのつかない事なのか?

吉田の泣き崩れる謝罪を見て、みなそう思ったに違いない。

そして日々淡々と過ごす自分の生活ぶりと、吉田沙保里の生きざまを比べて、身に染みる思いを抱いたに違いない。

 

さて、一方リオオリンピックの女子マラソン。

惨敗に終わった日本勢は、試合後のインタビューではこう答えた。

「いやぁー!楽しかったっす!」

満面の笑みを浮かべて、さらりとインタビューに答え、スタスタと去っていくのである。

きっとこの後焼肉でも食べに行くのだろう。

ちなみに女子マラソンでは野口みずきアテネオリンピック以来、16年間メダルから遠ざかっている。

 

この差は一体何だろうか。

柔道の男子も女子も、銅メダルに終わった選手は涙ながらに悔しさを訴え、応援してくれた人への感謝と期待に沿えなかった謝罪を声を震わせて絞り出していた。

マラソンの女子と男子は、オリンピックという大舞台に出られた喜びと、完走できたことへの満足感に終始顔の緊張が緩んでいた。

 

メダル、競技、勝負に対する意識の差が、吉田と全然違う。

 

吉田沙保里は、これだけの重圧を抱えながら練習に取り組み、4年間ずっと頂点を維持するために努力を怠らなかったのだろう。

頂点を維持してる間も、やりきったなんて思いは少しもなかったのではないか。

だからトップに立てるし、連覇もできる。

 

酷だけど、我々も今回は満面の笑みを浮かべて表彰台に立つ吉田沙保里を見て、いい気持になりたかったというのは事実だろう。

しかしながらスポーツが社会に対してもたらす意義、貢献度を考慮するならば、トップ選手が勝てなくて申し訳ない、取り返しのつかないことをしてしまったという涙は、金メダル以上の効果をもたらしたと思う。

 

本日、吉田は現役続行を宣言した。

東京オリンピックで金を取るとのことである。

まさに鉄の女。

他のアスリートは、吉田沙保里の生きざまを見て、身が引き締まるに違いない。

東京オリンピックが楽しみだ。